活動理念
当ネットワークの使命は、重症患者における「PICS(Post Intensive Care Syndrome)」および「せん妄」の予防・対策を通じて、患者の早期回復と質の高い生活を実現することです。
ICUに入室する重症患者は、長期入院やベッド上での生活により、身体的・精神的な後遺症に悩まされています。その中でも、PICSやせん妄は、患者やその家族に深刻な影響を与え、社会復帰が遅れる大きな要因となります。私たちはこうした問題に対して、以下の活動を通じて、持続可能なアプローチを行っていきます。
- 科学的根拠に基づいた予防策の普及
最新の研究に基づいた早期離床、リハビリテーション、ABCDEFバンドルなどの具体的アプローチを広く啓発し、せん妄とPICSの発症リスクを最小限に抑えます。 - 多職種によるチーム医療の推進
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、その他の専門職が連携し、患者一人ひとりに適した治療法とケアプランを提供することで、早期回復を促進します。 - 患者の家族や社会へのサポート強化
患者の家族も、PICSやせん妄の影響を受けることがあるため、精神的なケアと社会的な支援を提供し、患者の退院後の生活環境を整えます。 - 継続的な教育と国際連携
医療従事者への研修や国際連携を通じて、PICSとせん妄の予防と早期離床に関する最新の知見を提供し、実際の現場での対策を促進します。
日本離床ネットワーク 代表挨拶
日本離床ネットワークは、重症患者におけるPICS(Post Intensive Care Syndrome)およびせん妄の予防に取り組み、その対策としての早期離床の普及を目指しています。PICSやせん妄は、急性期に病院で治療を受ける多くの患者が直面する重大な問題であり、患者の回復や社会復帰において大きな障害となるものです。これらの問題は、適切なケアと早期の介入によって、その影響を軽減し、患者のQOL(Quality of Life)を大幅に向上させることができます。
このような背景のもと、当会は、世界中の医療従事者と連携しながら、科学的根拠に基づいた最善の治療法を広く普及させることを目指しています。私たちの活動は、早期離床、リハビリテーションの推進、チーム医療の強化、患者と家族へのサポートに重点を置いており、日々進化する医療技術を現場に届けるための教育や情報提供にも力を注いでいます。
また、2025年には、当会の悲願でもあった国際シンポジウムが開催されます。各国の医療専門家が集い、せん妄とPICSの予防に関する最新の研究と実践を共有し、国際的な連携をさらに強化する場となることを期待しています。
今後も、皆さまのご協力とご支援を賜りながら、患者とその家族にとって最良の医療を提供するための活動を続けて参ります。